本予告
特報
トン・ウンテン（ジャッキー・チェン）によって設立された“ヴァンガード”は、世界中のクライアントにセキュリティサービスを提供する民間の国際特殊護衛部隊。旧正月を迎えたロンドンのチャイナタウンで、“ヴァンガード”のクライアントである実業家チョン・クォックラップ（ジャクソン・ルー）が誘拐される。チョンを救出するため、トンはヴァンガードのメンバーであるロイ・ジャンユー（ヤン・ヤン）、チョン・ホイシュン（アレン）、ミヤ（ムチミヤ）を派遣する。一方チョンは、ビジネスパートナーのマシムが実は中東の過激派の首領であることに気付き、ロンドン警察に通報していた。マシムが米軍の攻撃によって殺されると、マシムの息子のオマルはチョンを捕らえるよう命じる。チョンはマシムの莫大な財産の在り処を知っていたのだ。
ヴァンガードに救出されたチョンは、疎遠になっている自分の娘で野生動物保護活動家のファリダ（シュ・ルオハン）も守ってほしいと懇願する。ヴァンガードはより大きなチームを組んでアフリカへ飛ぶことになる―。
香港出身のスタンリー・トンは、監督、プロデューサー、アクション監督として高い評価を得ている。1979年に格闘家として映画のキャリアをスタートさせ、1991年に自主制作映画『The Stone Age Warriors（魔域飛龍）』で初めて監督を経験。この作品が好評を博した後、ゴールデン・ハーベストの社内監督となり、ジャッキー・チェン主演の『ポリス・ストーリー3』（1992）を監督。この作品でトンは香港電影金像奨と台北金馬奨でアクション指導賞にノミネートされる。その後、再びジャッキーと組んだ『レッド・ブロンクス』（1995）がアメリカでの中国語映画の興行収入記録を塗り替えた。バンクーバーで撮影されたこの作品で、トンは香港電影金像奨で最優秀アクション指導賞を受賞、金馬奨ではアクション指導賞にノミネートされている。またこの作品はジャッキーの国際的な地位を確立するのにも貢献した。
1996年にはハリウッドに進出し、『Mr.マグー』（1997）を監督。2つの大陸をまたぐキャリアの中で、彼は映画界で最も人気のあるアクション映画監督の一人として批評家からも評価され、商業的な成功を収めている。
『カンフー・ヨガ』 （2017）
『THE MYTH／神話』 （2005）
第28回金鶏百花映画賞・最優秀監督賞ノミネート
第25回香港電影金像奨・最優秀アクション指導賞ノミネート
第25回香港電影金像奨・最優秀作品賞ノミネート
『SPY_N 』 （2000）
第20回香港電影金像奨・最優秀アクション指導賞ノミネート
『ファイナル・プロジェクト』 （1996）
第16回香港電影金像奨・最優秀アクション指導賞受賞
第33回金馬賞・最優秀アクション指導賞受賞
『レッド・ブロンクス』 (1995)
第15回香港電影金像奨・最優秀アクション指導賞受賞
第32回金馬賞・最優秀アクション指導賞ノミネート
国際特殊護衛部隊ヴァンガードの創設者でありボス。中国に古くから伝わる武装護衛文化の原則を守り、強い正義感と、約束を死守することがDNAに組み込まれていると言えるほどの道義心を行動規範とする。世界中から優秀な人材を採用し、さまざまな独自のスキルを身につけさせている。チームはあらゆる手段を用いてクライアントを保護し、その過程でメンバーを決して置き去りにしない。
1954年香港生まれ。7歳のとき中国戯劇学院の寄宿生となる。優秀だった彼は、後に香港のアクションスターなるサモ・ハン、ユン・ピョウらとともに「七小福」と呼ばれた。17歳でスタントマンとして映画界入りし、武術指導や俳優として数多くの作品に携わる。24歳の時に主演したユエン・ウーピン監督の『ドランクモンキー／酔拳』（1978）が大ヒットし一躍スターとなる。続く『クレージーモンキー／笑拳』（1979）では監督も手がけた。
その後ゴールデン・ハーベスト社と契約して『ヤング・マスター／師弟出馬』(1980）、『ドラゴンロード』（1982）と監督＆主演作のヒットを連発。さらに『バトルクリーク・ブロー』（1980）、『キャノンボール』（1981）でハリウッド進出も果たし、『プロジェクトA』（1983）、『ポリス・ストーリー／香港国際警察』（1985）というメガヒット作にも恵まれてアジア映画界の頂点に君臨、その名を世界に轟かせた。
1995年の『レッド・ブロンクス』では全米興行成績初登場第1位を記録。『ラッシュアワー』（1998）や『シャンハイ・ヌーン』（2000）など、ハリウッドでの主演作の大ヒットへと繋がり、その2作は現在も新作が製作される人気フランチャイズへと成長を遂げた。
近年、拠点を香港から北京に移し、中国語圏とハリウッドをまたにかけ幅広く国際的な活躍を続けているジャッキーは、長年の功績が認められ国際的な映画界のレジェンドとして数々の名誉賞を受賞している。2002年、ハリウッドの「ウォーク・オブ・フェイム」にその名が刻まれ、2016年にはフランスの芸術文化勲章と米アカデミー名誉賞を受賞。さらに2019年には、世界のエンタテインメントへの貢献を称えるBAFTA（英国アカデミー賞）のアルバート・R・ブロッコリ・ブリタニア賞を受賞した。
また、慈善家としても有名で、中国の恵まれない子供たちを支援するために「成龍慈善基金会」と「龍子心基金」を設立している。
直近の出演作品
『ナイト・オブ・シャドー 魔法拳』(2019)
『ポリス・ストーリー／REBORN』(2017)
『ザ・フォーリナー／復讐者』(2017)
『カンフー・ヨガ』 (2017)
『レイルロード・タイガー』(2016)
『スキップ・トレース』(2016)
『ドラゴン・ブレイド』(2015)
『ポリス・ストーリー／レジェンド』(2013)
『ライジング・ドラゴン』(2012)
『ベスト・キッド』(2010)
『ドラゴン・キングダム』(2008)
ヴァンガードのチームリーダーの一人。ハンサムで警戒心が強く、自分にも他人にも忠誠心を求める。ポーカーフェイスで、仕事をしているときは常に真面目。総合格闘技に長けている。ヴァンガードの依頼人であるチョンの娘ファリダを救うため、自らを何度も危険にさらす。任務を完遂するため常に最善を尽くしている。
俳優であり歌手でもあるヤン・ヤンは、中国人民解放軍芸術学院舞踊学科を卒業。テレビドラマ『紅楼夢 〜愛の宴〜』（2010）の賈宝玉役でキャリアをスタートさせる。その後、中国共産党建党90周年記念映画『赤い星の生まれ』（2011）や青春ドラマ『ひだりみみ』（2015）、『盗墓筆記』（2014・日本未放送）でより広く認知されるところとなった。さらにテレビドラマ『ときめき旋風ガール』（2015）、『シンデレラはオンライン中！』（2016）、『マスターオブスキル 全職高手』（2019）に主演し人気急上昇。最も期待される中国の新世代俳優の一人である。
出演作品
『プロジェクトV』(2020)
『ワンス・アポン・ア・タイム 闘神』(2017)
『君のいる世界から僕は歩き出す』(2016)
『ひだりみみ』(2015)
『赤い星の生まれ』(2011)
ヴァンガードのチームリーダーの一人で、火薬類に精通している。ヴァンガードの初期メンバーの一人であるため、同僚のユニークな才能を把握している。また個人的な忠誠心も大切にしている。幼い息子と家族を大切にしながらも、危険な任務に就くことを厭わない。
北京電影学院演技科を卒業し、2002年に初舞台を踏む。2006年、中国で著名なパフォーマンスカンパニー「開心麻花」に参加し、多くの舞台を経験。映画デビューは彼らのコメディ『Goodbye Mr. Loser』（2015・日本未公開）で、その後様々な映画やテレビシリーズに出演するようになる。中国で大ヒットした『恥知らずの鉄拳』（2017）では、第9回中国・オーストラリア国際映画祭で主演男優賞を受賞した。
出演作品
『プロジェクトV』 (2020)
『Dancing Elephant』(2019・日本未公開)
『The Human Comedy』(2019・日本未公開)
『Hello, Mrs. Money(2018・日本未公開)
『Little Lucky』(2017・日本未公開)
ヴァンガード現場チーム内唯一の女性メンバーで、可愛くもタフな性格の持ち主。ユニセックスな服装を好み、メンバーからはその能力を高く評価され、男性のように扱われている。戦闘能力と高速運転の両方に長けており、チームには欠かせない存在となっている。
女優、モデル、司会者、ヨガインストラクター。中国全土にヨガを広めていることで知られており、中国・インドヨガサミットの大使を務めた。『Tomb Robber』（2014・日本未公開）、『西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人』（2016）、『The Pluto Moment』（2018）など多くの映画やテレビシリーズに出演している。スタンリー・トン監督の『カンフー・ヨガ』（2017）で第4回中国・オーストラリア国際映画祭最優秀女優賞を受賞。
出演作品
『プロジェクトV』(2020)
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ／英雄復活』 (2018)
『カンフー・ヨガ』(2017)
『西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人』(2016)
『Tomb Robber』(2014・日本未公開)
実業家チョンの娘ファリダは、恵まれた裕福な家庭で育った。
自然を愛し、動物の権利を大切にし、自由を強く望んでいる。勇敢で自立した彼女は、快適な中国とはかけ離れたアフリカで活動している。絶滅危惧種の動物の違法狩猟の様子を動画で撮影し、アップロードすることで国際的な認知度を高めようとしている。
北京電影学院で学んだ新人女優。ジャッキー・チェンが監督し、ジェイシー・チャン、アンディ・ラウ、ファン・ズータオ、オーヤン・ナナ、ワン・カイ、シュー・ファン、ジァン・ウェンリーらと共演のアート映画『The Diary』（2021年中国公開予定）の主役でデビューを果たす。スタンリー・トン監督は彼女のユニークな気質を認め、本作『プロジェクトV』のファリダ役に起用した。
出演作品
『The Diary』（2021・日本未公開）
『プロジェクトV』(2020)
コンドルは高度な知能を持ち、最新のハイテク・ハードウェアやソフトウェアを扱うことができる。ヴァンガードでは技術サポート役としてだけでなく、仲間が困難な状況に陥った際にはともに現地に赴き戦いに臨む。
歌手であり俳優でもあるジュー・ジャンティンは、中国の伝統舞踊、バレエ、モダンダンスなどさまざまなスタイルのダンスに長けている。2014年、上海戯劇学院に入学。中国のボーイズグループのサバイバルリアリティ番組『PRODUCE 101S2』と『Idol Producer』に出演した後、2018年にボーイズグループ「NINE PERCENT」と「NEXT 7」のメンバーとして正式にデビュー。俳優デビューは『Marna』（2018・日本未公開）。『プロジェクトV』は映画出演2作目となる。
出演作品
『プロジェクトV』(2020)
『Marna』 (2018・日本未公開）
ヴァンガードの顧客チョンは、娘ファリダを愛する父親でもある。中東でマシムのビジネスパートナーとして働いていたが、彼の裏の顔を知ったことで窮地に陥っていた。マシムの死後、息子のオマルはチョンが父を裏切ったのではないかと疑念を抱き、チョン誘拐へと動き出す。
台湾出身の俳優ルーは、1990年代にモデルとしてキャリアをスタートさせ、以来様々な映画やテレビシリーズに出演。バリー・ウォン、ゴードン・チャン、スタンリー・トンなど多くの著名な香港の監督と仕事をしてきた。また、ジャッキー・チェンをはじめ、ジェット・リー、アンディ・ラウなど数々の伝説的なスターとも共演している。代表作に『ラスト・ブラッド／修羅を追え』（1990）、『フィスト・オブ・レジェンド／怒りの鉄拳 』（1994）、『ファイナル・プロジェクト』（1996）、『SPY_N』（2000）などがある。
出演作品
『プロジェクトV』 (2020)
『GATAO 2 – The New Leader Rising』（2018・日本未公開）
『The Mysterious Family』（2017・日本未公開）
『Mole of Life 』（2016・日本未公開）
『Z108地区～ゾンビ包囲網～』（2012）
スタンリー・トンとジャッキー・チェンは、中国語映画を世界に広めたパイオニアであり、中国以外の地域での撮影も頻繁に行っている。『プロジェクトV』では、ロンドン、ドバイ、ザンビア、インドの古都など、世界9カ所でのロケを敢行。各地のエキゾチックな異文化の側面が物語に組み込まれている。クルーと各国の政府機関との良好な関係が、スムーズな撮影を可能にした。
ロンドンのチャイナタウンで旧正月のお祝いに集まる何千人もの人々の話を読んだトンは、エキサイティングなドラゴンダンスのパレード中の撮影許可を申請した。
しかし、この映画の最大の見所であり息を呑むようなセットピースは、なんといっても金色のスポーツカーをフィーチャーしたドバイでのストリートレースだ。トンが実際に本物の金メッキのスポーツカーを目撃したことから、このシーンは誕生した。世界一高いビル、ブルジュ・ハリファも意外な役割を果たしている。
アクション映画の可能性を追求し続けてきたジャッキーは、何十年にもわたって死を目前にするような体験を積み重ね、また怪我も絶えなかった。それは本作『プロジェクトV』も例外ではない。アフリカの激流で撮影中、彼の乗った水上バイクが横転、そのバイクの下敷きなる格好で、実に45秒もの間、水中に閉じ込められてしまった。あまりの流れの激しさに救助班も身動きが取れない中、ジャッキーは「ジャッキー、パニックになるな」と自分自身に言い聞かせ冷静さを保っていた。一方スタンリー・トン監督は不安で感情を抑えることができなかった。「ジャッキーが水面に出てくるのを見たときは涙が出た」と彼は語る。ジャッキーはその後すぐに撮影を続行。しかしホテルに戻った彼は恐怖のあまり震えが止まらなかったという。
この激流の中で撮影するというトン監督の決断は、俳優全員にとって大きなチャレンジとなった。翌日にはムチミヤが流されそうになる事故があり、彼女は手を上げて必死に助けを呼んだ。救助された後、ムチミヤは恐怖を飲み込んでクルーに笑顔を見せた。死が間近に感じる体験を経て、自然の力への畏敬の念が芽生えたという。
最新の技術は撮影をスムーズにしただけでなく、新たなストーリー展開の可能性を切り開いた。アフリカのシーンでは、特殊効果によりライオンやハイエナなどのエキゾチックな動物と俳優たちが触れ合えるようになった。またドバイでは、これまでにないほど興奮度の高いレースシーンを生み出した。さらにはコンドル（ジュー・ジャンティン）がホバーボードのような空飛ぶマシンに乗って戦うことも可能にした。
情報収集にはロボットのハトやハチが使われたほか、さまざまな近未来的兵器も見ることができる。
トン監督もジャッキーも、何十年にもわたって培ってきた経験を継承するため、新世代の俳優と一緒に仕事をしたいと考えている。『プロジェクトV』では、ヤン・ヤン、アレン、ムチミヤ、シュ・ルオハン、ジュー・ジャンティンなど新進気鋭の俳優を育成し、世に送り出した。ジャッキーの代表的なアクションの技術を一人一人に割り当てると、新たな傑作を生み出すべく若いスターたちは準備に取りかかった。
中国人民解放軍芸術学院の舞踊部門を卒業したヤン・ヤンは、この映画のために実戦を模した訓練を積み、1秒以内で銃に弾丸を装填する方法をジャッキーから直々に教わった。またインドでは、自分よりも重いアレンを担いで敵の攻撃から逃れる演技で、作品への献身的な姿勢を証明。1100年もの歴史のある古都での撮影でクレーンやワイヤーを使えない中、2度目のテイクでヤン・ヤンは疲労のあまり倒れて膝を負傷。それでも愚痴ひとつこぼさなかった。
一方、唐辛子やドリアンフルーツなど、ユニークな武器を用いてはコメディからアクションへとスムーズに移行していくアレン。ジャッキーの影響をからか即興でコメディの要素を取り入れ、ヤン・ヤンが彼に心肺蘇生を施す場面では、スクリーン上で初めての “キス”をすることにもなった。このシーンでは、アレンとの兄弟のような絆を表現するため、ヤン・ヤンは感情のすべてを込めた。アレンは撮影後、「息を吹き返した後もやめたくないように見えた」とヤン・ヤンをからかった。
